GEWELとわたし(小嶋美代子)

NPO法人GEWELは2003年の設立以降、ダイバーシティ&インクルージョンを中心に、多くのひとに影響を与えてきました。GEWELと関わったことをきっかけに、新しい何かを起こしてきた「コトおこし」の例を紹介していきます。

File02:小嶋美代子

 GEWEL副代表理事/(株)アワシャーレ代表取締役/ライフシフト・ジャパン(株)取締役

Q. あなたを掛け算で表現すると?
ライフシフト×エシカル×次世代

1968年京都生まれ、現在、東京・京都・その他に在住。コンピュータのエンジニアとして働き始めましたが、現在では「ダイバーシティ&絆」をテーマにした講演や研修を中心に活動しています。人生100年時代のライフシフトを自ら体現し、その経験や楽しみ方も伝えています。

ネパール人の女性を支援しはじめたことがきっかけで、エシカルにも関心を強く持つようになりました。京都に住む母にとっては孫ができたようなもので、仲良くしています。エシカルペイフォワードというギフトショップでも運営のお手伝いをしています。また、大学でのD&I授業や学生インターン生を通じて、次世代からも学んでいます。とにかくD&Iを真ん中に置いて、身近なできることから行動しています。


 

Q. GEWELとの出会いは?
2012年ダイバーシティ・ジャーニー

2017年まで大企業で働いていたのですが、そこでD&I推進担当になりました。最初は何から勉強すればよいのかもわからなかったとき、GEWELが開催していたイベント「ダイバーシティジャーニー」に参加しました。自分のキャリアを振り返り、意味を再定義し、これからの軸を探すワークショップでした。それまでに社内でも何度か同様の研修を受けたことがあったので、実は大して期待せずに参加しました。4人のグループに分かれて、それぞれのキャリアを共有し、それを理事の方々がコーチングしてくれました。そこでわたしのコーチになってくれたのがダレン・マクドナルドさんです。ダレンさんはわたしの経験を聞いて、「あなたはいつも変化のときにオーナーシップを持ってるね」と言ってくれました。帰りの電車で辞書でオーナーシップを調べたのを覚えています。それまでなんとなく、自分は変化への耐性が強いことは認識していたのですが、その理由を確信しました。それ以降、元気がないときはオーナーシップが足りないのだと自覚できるようになりました。

その後すぐ、グローバルサミットを紹介してくれた荒金さんとの出会いもありました。「世界で活躍する女性が集まる素晴らしい場があり、その魅力は行ったひとにしかわからない、D&Iやるなら行きなさい!」と背中を押され、参加しました。その頃は、まさか4年後に一緒に理事をしているなんて予想していませんでした。

 

Q. 具体的な転機やその後に訪れた変化は?
メンターと出会い、メンターになる

ダレンさんは、わたしのメンターになりました。と言っても、ダレンさんと会うことは全くなかったのですが、彼の言葉がわたしの心の中でささやき続けたのです。一般的なメンターの定義は、気にかけて味方になって応援してくれるひとを指しますが、ダレンさんは会わずともわたしを応援してくれていました。いまでは姉弟のように仲良くなりました。

サミットではジュリアナ・オイグンさんという素晴らしいロールモデルに会えました。世界銀行のダイバーシティのトップだったひとでした。わたしのことを抱きしめ、すべて受け止めてくれたことがきっかけで、わたしのメンターになってくれました。

同じ頃、ネパール人のアンジャナKCにも出会いました。ダレンものようにアンジャナを元気にする言葉を贈りたい、ジュリーのように受け止めたい、と思いました。GEWELでは「恩送り」という言葉を当時掲げていたので、それを実行したかったのです。

 

Q. 今どんなコトを起こしていますか?
小さなコトをゆっくり積み上げる

「恩送り」は英語で「Pay it forward」です。わたしの居場所でもある「エシカルペイフォワード」も同じ言葉から来ています。このお店は、「ひとにやさしい、地域にやさしい、地球にやさしい」をテーマにしています。誰かへの贈り物をするとき、他の誰かにもやさしいものを贈ろうという考えです。

女性活躍のパイプラインをつないでいくことも恩送り、誰かへの影響を考えて買い物をするのも恩送りです。以前は大企業にいることを生かして、自動的に・速く・広く影響を与えるような仕組みを考える習慣が身についていましたが、いまわたしの考えは違います。自分の意思を持って・ゆっくりと・小さく・長く続けられるようなことを、目の前の誰かと一緒にやっていきたいと思っています。

 

Q. これから起こしたいコトは?
わたしをつくる

わたしには無限の可能性があります。本気でそう思っています。問題があるとしたら、わたしがわたしの眠っている力をしっかり使えるかどうかです。自分探しではなく、自分をつくっていきたいと思います。
GEWELと出会ってまだたった5年です。まさかまさかのことがたくさん起こりました。だからきっとこれからの5年も面白いことがたくさん起こる、起こすはずです。

GEWEL創始者である佐渡アンさんがGEWELを立ち上げるときに作られたピンがあるのですが、それをわたしに譲ってくださいました。アンさんは人脈が広く、いつも志が高いひとです。人付き合いが苦手で、志なんて見つけられないようなわたしと、全く正反対のひとです。そのアンさんからピンを譲っていただいたことには何か意味があると思っています。それがどんな意味なのか、きっとあと5年すればわかることでしょう。いまはその時を楽しみにしながら、目の前にあることをコツコツ取り組んでいきたいと思います。そのわたしの行動が誰かの生きるちからになればもっと嬉しいことです。わたしの胸に白いパールのピンを見つけたら、あなたも仲間入りです。


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