そろそろちょっと考えてみたいこと「教育方法選択の多様性」
教育方法を選択する機会も無いまま、個性も特性も犠牲にして幻想(過去の正解モデル)に向けてただ競わされる子供たち
多くの子供たちには、そこに目的や充実は感じられないのではないでしょうか?
子供たちが得たいモノを見つけるために、
自分の受ける教育方法を自らの意志で選んで決められる
それを当たり前にするには何をしていけばいいのでしょう?
今回の「GEWEL 気ままにダイバーシティ・トーク」では、
オランダへの教育移住を実践中の母親であり、
北九州のバイリンガル・モンテッソーリ園「カーサ・デ・バンビーニ」代表で
教育起業家の大谷育美さんをお迎えして、
なぜオランダへの教育移住という選択になったのか? 日本で選択肢はなかったのか?
「子供たちが自らの意志で選んで決められる」ようになるには、何をしていけばいいのか?
オランダと日本の教育環境の違いなどもお聞きしながら、
参加者のみなさまと一緒に考えてみたいと思います。
小学校に入る段階で、幼児期に受けてきた教育(方法)を学校で継続する選択肢がなくなってしまう。
日本は幼児教育では多様な教育を提供している教育機関が増えていますが、義務教育になった途端に選択肢が少なくなり、日本型教育の管理システムに縛られてしまいます。
日本の義務教育には素晴らしい点もたくさんあり、世界に誇れるところもありますが、平均的かつ均質に育成されるために子供達一人ひとりの個性や特性を犠牲にしてしまっているところもあり、個人の可能性と個性を潰してしまっています。
そして、受験になると子供達はテストの結果による他人との比較でしか自分を確認できない状況に追い込まれ、自分を見失い何者かになるために藻掻く日々、そこに自分は存在しない。
そんな中では自己肯定感が低くなる人が増えたとしても不思議ではありません。
人には得意・不得意があり、向いている、向いていないもあります。
これらには、一人一人の持つ傾向性やそれぞれの強みが影響しているのかもしれません。
一人一人の傾向性や強みを個性と捉え、個性を伸ばせる“自分に合った”教育方法を、誰もが自分で選択して決められるようにならなければ、これからの社会を生き抜く力を身につけることはますます難しくなって行くのかも知れません。
少し話しが逸れてしまったので話しを元に戻しましょう。
「人間の脳は6 歳までに90%完成する」ことが、研究から明らかになっています。
しかし多くのおとなが感じているであろうことは・・・
いやいや、そうは言っても
「6 歳にはまだ自分のしたいことは決められないだろうから、
やっぱり大人が決めてあげなきゃならんだろ」
6 歳の子供が思っていること・・・
わたしは自分がしたいことは自分で選んで決められるよ。
おとなは、いつから子供に対して傲慢になったのでしょう。
おとなは、いつから子供の声を聞けなくなったのでしょう。
おとなは、いつから子供の答えを待てなくなったのでしょう。
おとなは、いつから子供の可能性を信じられなくなったのでしょう。
最近こんなことがありました。
ある家庭では、6 歳まで受けてきた「モンテッソーリ教育」を小学校に入っても継続させたいと願い、2021 年8 月からオランダへ教育移住して父子での生活が始まっています。
こう聞くと「そのことを子供はどう思っているの?」もし子供の気持ちはそっちのけで親のエゴだけで無理矢理連れて行っているとしたら・・・ それはどうなの?
母親はどうしてるの? なぜ一緒にいてあげないの?
そもそも海外へ移住するなんて、そんなのお金があるから出来る事・・・
これらは、多くの人が感じることかもしれません。
教育方法にはいろいろありますが、そのひとつである『モンテッソーリ教育では「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在が前提となっています。
モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促します。
子どもは、自分で選んだ活動に満足いくまで繰り返し取り組みながら様々な能力を獲得していきます。』
(『 』内は日本モンテッソーリ教育総合研究所から引用)
そんな環境で育った子供は、たとえ6 歳であったとしても提示されたものに対して“自分で決める力”が備わっています。
そうなんです、全てを話した上でその子が自分の意志で「それをやってみたい」と決めてオランダに行っているのです。
にわかには信じがたいかもしれませんがこれは真実です。
そして、子供が現地に適応する様子は大人の想像を遙かに超えているようです。
気づいてないだけで、私たちの思考はいつの間にか停止してしまっているのかもしれません。
オランダもモンテッソーリ教育も選択肢の一つでしかないので、この時間はモンテッソーリ教育+オランダ移住をオススメすることを目的としたものではありません。
なぜ、オランダへの教育移住を選択しなければならなかったのか?
その背景から、いまそしてこれからの日本にどんな選択肢があれば、“提示”によって子供達が自分の受けたい教育を自分で選んで決めていけるようになるのか?生き抜く力を身につけることができるのか?
短い時間で簡単に何かが纏まるような内容だとは思っていませんので、「気ままに」考えてベイビーステップに繋げていきましょう。
注:今回は「ダイバーシティ教育」「インクルーシブ教育」がテーマではありません
<開催概要>
日 時:2021 年11 月6 日(土)20:00〜22:00
方 法:オンライン(Zoom)
ゲスト:バイリンガル・モンテッソーリ園「カーサ・デ・バンビーニ」代表
教育起業家 大谷育美
参加費:無料
定 員:30 名
対 象:一般、GEWEL 会員(個人会員・法人会員)
主 催: NPO 法人 GEWEL
申 込: こちら
お問合せは、contact@gewel.org(NPO 法人GEWEL 事務局)までご連絡ください。
<ゲストプロフィール>
教育起業家 大谷育美
〇 バイリンガル・モンテッソーリ園「カーサ・デ・バンビーニ」
〇 0 歳からのモンテッソーリ園「RIVERWALK こどもの家」
〇 産前産後事業「モンテッソーリ・バースセンター」
などの事業を主宰。
高校教師から保育士に転身、子どもの育ちと学びについてとことん追求しモンテッソーリ教育に出会いました。
これからの時代を生き抜く子どもたちに本当に必要な力とは、何なのか。
子どもの尊厳が守られる社会、自由な学びが保障された社会を目指して活動中です!
一児の母・家族がオランダ教育移住中。
☞ バイリンガル・モンテッソーリ園「カーサ・デ・バンビーニ」とは
北九州市小倉北区にある認可外保育施設(北九州市基準適合届出保育施設)です。
「カーサ・デ・バンビーニ」では、英語と日本語のハイブリットの保育に加え、本格的なモンテッソーリ教育を行う2 歳〜6 歳を対象とした保育施設です。脳の90%が出来上がると言われる6 歳までに、グローバルに生き抜く子どもの地盤を築きます。言語はもちろん、モンテッソーリ
教育により培われる自信や自己肯定感、自分の中から湧き出る社会性、「わたしにはできる!」と有能感に溢れた子どもたちが日々縦割り保育の中で過ごしています。