2020年12月6日、今年を締めくくるオープンフォーラムはオンラインでの開催となりました。全国から多くの方にご参加いただき、定員を大幅に超え大盛況となりました。
ダイバーシティと言われて久しい現代社会。
・ダイバーシティの正確な意味を理解しているのか
・なんのためにダイバーシティを推進しているのか
そんな「what」よりも「why」の部分について、「第一部・経営編」「第二部・教育編」という二部構成を、素敵なゲスト陣と考察していきました。
(モデレーター:稲葉 哲治(GEWEL理事))
〇第一部 経営編
ゲスト:
長岡 健(法政大学経営学部経営学科 教授)
宇田川 元一(埼玉大学経済経営系大学院 准教授)
社会構成主義やナラティブアプローチにも造詣の深いお二人。組織から・経営面から・学生の視点から、様々な角度からダイバーシティに切り込んでいただきました。
また、宇田川先生は著書「他者と働く」が『日本の人事部「HRアワード」2020』の書籍部門で最優秀賞を受賞されたばかり。次回作も執筆中とのことで、どんな展開をされていくのか、貴重なお話をいただきました。
がんサバイバーという一面もお持ちの長岡先生は、学生教育やNPOとソーシャルデザインの観点から、企業のダイバーシティ活動を思案されているご様子でした。
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「企業のダイバーシティ活動に対する学生の思いとのギャップについて」
「企業社会は慢性疾患(確実な変化だけれども刺激の弱い変化を続けている)」
「提言主義と功利主義の間で揺れる若者の苦悩」
こうしたトピックをもとに問題提起や解決方法の模索を進める中で、
「自分とは異なる人と対話を行うために自分自身はどうあるべきか」
「自分たちとは異なる組織(集団)と対話をするためにはどうあるべきか」
「企業の在り方(利益の際立ちかを求めるという価値観)は今後どうかわっていくか」
といった3つのテーマの重要性を語られました。
・学習がおこるメカニズム
・ワイルドファームアクティビティ(野火的)の重要性
・ダイバーシティの問題点
・菌根的活動をどう活用していくか
・セルフケアについて
・リレーショナルリーディングについて
・べてるの家
・ドラッカー
・中村哲さんのお話など…
短時間で盛りだくさんの内容でした。
多様性の実現は理想論なのか、社会的規範をもってして達成すべき課題なのか、
持続的な対話の重要性を痛感する第1部となりました。
寄稿:眞島かな子、伏木湧哉
〇参加者の声 (アンケートに回答いただいた方のコメントを抜粋して掲載しています)
・企業から見るダイバーシティと学生から見るダイバーシティの違いは初めて知った考えで、新鮮でした。自分自身も一方的に学生の立場からしか見ていなかったので、学生、企業あるいは他のセクターからの視点を踏まえながら考えていきたいと思います。(つなまよ)
・さまざまな角度から考察の投げかけをいただき、心地よい混乱の中にいます。どの方もエッジが立っていて、だからといって変にまとめることがなく…以前はパネルというのはまとめて結論出さなくては、と思っていましたが、あえてそうしない方が深まるということを実感しました。(朝生容子)
・また行動を移したくなる話をたくさんお聞きできたと思います。宇田川さんの本は読みたいし、ドイツには留学したいし、ゲットインタッチの活動には参加したいです!今日はありがとうございました。(みかん)