6月22日(土)に開催された「港区男女平等フェスタ」で、
「女性の健康を多様な視点で考えよう」をテーマにした企画を開催いたしました。
当日は、男性も含め、42名の方がお越し下さいました。
<第1部 基調講演>
第1部の基調講演では、NPO法人 女性医療ネットワーク 理事長の対馬ルリ子 さんに
ご登壇いただき、健康とダイバーシティについてお話しいただきました。
女性は、仕事・子育て・地域活動など、社会から常に多機能性を要求されており自分の健康を後回しにしがちであること。また、女性の自己犠牲が美徳とされがちな社会だが、「自分の健康への投資は、未来への投資」であり、社会を支えているので、最優先すべきだということ。さらに、女性の健康課題は、男性とは違うこと、ジェンダー的偏見が残る医療の現状、女性のライフサイクルと各年代の健康リスクについてのお話が続きました。
その後、GEWELの宮田からの質問形式でダイバーシティとの関係について、さらに詳しいお話を伺いました。日本の「女性の健康と権利」は、欧米に比べて30年以上遅れているが、近年、経済産業省主導で発想の転換が起こり、働く女性の健康推進が企業内で注目され、取り組みが進み始めていること。また、病気があったとしても、幸せに生きることができる、wellbeingという、健康の概念についてお話をいただきました。最後に、病気の専門家がいる「病院」だけでなく、女性の健康に詳しい専門家がいる医療機関と定期的に付き合うことが健康維持の要であるとのアドバイスを頂きました。
<第2部 パネルディスカッション>
NPO法人 ファザーリングジャパン 理事の東浩司 さんと NPO法人 Rainbow Soup 代表理事の五十嵐ゆりさんにご登壇いただきました。
東さんには、男性という目線から、家庭では配偶者として、職場では上司として、女性の健康をどう支えるかについてお話しをいただきました。父親としては、子供や妻が笑顔で過ごせるよう、ワーク・ワイフ・バランスを大切にしているというお話から始まりました。また、体調不良を抱えているときは、黙って耐えるのではなく、どういう配慮が欲しいのかを具体的に主張してもらえるとありがたいこと、そのためにはお互いに普段から話しやすい関係を作るための土台作りが大事だと思うとのことでした。
五十嵐さんには、性的マイノリティの視点から女性の健康についてお話しいただきました。社会的にまだ性的マイノリティの存在が想定されていないことが多いため、医療機関に行きづらく重篤化することがあること、同性パートナーは家族として認めてもらえず、手術の同意書にサインできないことなど、健康被害を悪化させかねない現状があることについてお話しくださいました。
基調講演もパネルディスカッションも、質疑の時間には多くの方から挙手があり、
アンケートにも時間が足りなかった、知らないことばかりだったという声が多く寄せられており、参加者の皆様の関心の強さがうかがえる時間となったようです。
お話の概要が一目でポイントが分かるよう、エミリさんがまとめてくださったグラレコはこちらです。ありがとうございました。
参加者の方からは、以下のような感想が寄せられました。
・今の自分に当てはまる話ばかりで、大変勉強になった。話の内容も非常にわかりやすくよかった。
・意識しないと考えることのなかった話だったなと思った。反省も踏まえ、発信もできるようになりたい。
・会社の検診も女性特有の観点の検診の必要性を認識した。(健保の認識や啓発も大事ですね)
・ 医療におけるジェンダーについて考えたこともなかったので、とても勉強になった。医療・政治、あらゆる面において女性がトップに立つことが大切なんだと思った。
対馬さん、東さん、五十嵐さん、参加者の皆様、ありがとうございました。
GWEWLでは、昨年度に続き、健康とダイバーシティをテーマにした企画等を
実施していきたいと思っております。どうぞお気軽にご参加ください。