小1の壁、いよいよ2学期
小1プロブレムに9月1日問題、ワーキングマザーはどう備える?
はじめに
夏休みは、早くも8月末に終わる学校が出てきます。ワーキングマザーの皆さんも、宿題の仕上げの時間の工面に苦労されている時期かと思います。さっさと仕上げて、夏休み終わってくれ、という感想をお持ちでしょうか。それとも前回の夏休みの記事を参考に、今年はばっちり、でしょうか?
そんなワーキングマザーの皆さん、9月1日問題をご存じですよね?これはもっと学年が上になると、不登校の始まりになったり、あるいは自殺発生という深刻な問題があったりして、社会的に関心も高いところです。
小1の皆さんはどうか、というと、その問題に行くのはまだ早い?というところでしょう。
しかし、いわゆる小1プロブレムは、徐々に深刻になっていくのが2学期です。集団生活への不適合や、学校の先生とのコミュニケーションの気になる部分が大きくなりがちです。
また、9月から学校行事が次々に開催され、あるいは、授業時間が1学期より長くなる学校もあるため、夏休みが明けると、新しい課題に直面することが多くなるお子さんも多くなります。
もうお分かりのことかとおもいますが「過剰に悲観も楽観も信頼もしないで備える」が賢いワーキングマザーというものです。というわけで、2学期スタートして波に乗るための「小1プロブレム」対策をお伝えします。
小1プロブレムとは?
- 集団生活になじめない
- 生活態度に問題がある
- 先生の話が聴けない
といった、小学校1年生に見られる学力以外での問題行動の総称です。
2000年代初頭から、小学校1年生にこれらの問題が顕著になり、文部科学省も2007年に本格的な対応をし、学校の指導を大々的に行い始めました。
時を同じくして、学級崩壊、という「授業が成立しない事態に至るクラス」の問題が大きく社会的にも取り上げられ、当時は世の中が「小学校もそんなにひどいのか!」と驚いた、という経緯がありました。
小1プロブレムは入学したての頃は、「みんなが小1プロブレムを抱えて入学」ですので、そんなに一人一人が目立ちません。しかしながら、夏休み、何かに取り組んでぐっと成長するお子さんがいる一方、行動が心配なお子さんが目立ってきてしまう、ということです。
これが2学期この問題をまず考えておいたほうが備えになるかな、と思う背景でございます。
小1プロブレムの原因探し・犯人捜しはあまり役に立ちません。
学校から連日電話がかかる、あるいは呼び出しがある、というと、ワーキングマザーの皆さんはだいぶ戸惑ったり迷惑に思われたりするでしょう。中には暗に発達外来の受診を進められるケースもあります。
しかし、基本的には「小学校1年生の間の発達のバラバラぶりはまだまだ大きい」ので、ママはびっくりしても、残念ながら仕方がない面が多くあります。
小1ママのしておくべきこと
学校に時間を使うことを考えて予定を立てる
電話攻勢に、真っ黒になりそうな連絡帳…小1プロブレムが我が家に襲来、ということがあったとします。時間を作ることがワーキングマザーの最大の課題になります。いったい何が起こっているのか、やはり把握しないと始まらないのですから、事実関係を確かめることは必要ですね。自分の子供が先生の話を聞けない、ということなら、先生だけに話を聞けばいいですが、けんかをした、ひどいことを誰かに言った、もしかするとモノを壊しているかもしれない、などなど。
そこに出てくる登場人物から話を聞くだけでも、時間がかかるものです。
・我が子
・おともだち
・先生 (担任・副担任、関係していれば教科担任・場合によっては学年主任も)
・スクールカウンセラー
・養護教員
・学童保育指導員
・同級生のお母さん
なんと保育園の登場人物のほうがシンプルだったでしょう。
小1の母のしんどさ、というのはこうも関係者が多い中でどう立ち回るか、時間をかけてコミュニケーションするか、という問題でもあります。
小1になっても、子育てに時間が必要、などとあまり大声で言うと、マミートラックに載せられる心配など、いろいろと問題はあると思います。時間は確かに必要ですが、これをどうやって適切に効率化していくかで、そんな心配も大きくはないでしょう。
小1プロブレム、「親もちゃんと見てるわよ~」作戦で乗り切る
ここで、一つ有効な解決策があるとすると「学校に自分の時間があるときにさっさと顔を出してしまう」というソリューションです。今は、学校も「いつでも参観」を推奨するところが多くなっています。また、連日の電話やお小言があるとすると、それは「少し親御さんも様子を見てください」というメッセージであることは確実ですので、学校に見に行ったら、しっかりそのメッセージにこたえることになり、悪いことはあまりないと思います。
参観日ではない日に我が子の様子を見ていると、「あれ?」と思うことがあったり、「うちではこんなことはしていないのに、おかしいな」と思うことがあったりします。そういう情報は、担任の先生と共有しましょう。心理職の専門的な目が必要かな?と思ったらスクールカウンセラーに、養護の先生に声をかけておくのもよいことかと思います。お子さんの中には、ストレスが高じると、頻尿になるお子さんや、アトピーが悪化するお子さんなどもいます。学校でのストレスを小さい体で受け止めている結果が「小1プロブレム」呼ばわりされるケースもあります。
時間の捻出が難しい一方で、少しの時間を使って、関係者のできれば全員に声をかけることをしておくだけでも、小1プロブレムはいろんな意味で緩和される可能性があります。ここで、ポイントとなるのは、関係者間で申し送りがあることは期待薄であるということです。とくに公立小学校などはそうではないかと思います。というのも、個人情報の受け渡しは、服務規程・法令で制限を受けることが多く、共有できる範囲が限られています。必要な情報は当然受け渡しも可能ですが、今の先生方は、「この情報は言ってよかったっけ?」という問題に悩んでいることもあります。
しかし、ママが会社に行く前に5分でも10分でもちょこっと顔を出す、もしくは下校時間に合わせてちょこっと顔を出す、これを週に2回くらい問題が起きた時にはやってくれる、となると、関係者間で信頼関係ができやすく、情報も行き渡りやすくなります。「ああ、今度来たら言うからいいや」と電話攻勢も連絡帳攻撃もなくなります。ママじゃなくて、パパが行くと余計に効果は絶大です。始業の前に顔出すだけでいいから!が頼めるパパがいてくれると嬉しいですね。土曜だけ、決まった時間に顔を出す、というのもいいですね。
2学期の壁まとめ
小1プロブレムへの備え、解決法といくつか二学期を快適に乗り切るための提案をさせていただきました。少しの工夫で、子供さんのぐっと伸びる時期を応援したいものですね。ママのキャリアにとってもプラスになる二学期であることを祈ってやみません。