GEWELとわたし(栗崎由子)

NPO法人GEWELは2003年の設立以降、ダイバーシティ&インクルージョンを中心に、多くのひとに影響を与えてきました。GEWELと関わったことをきっかけに、新しい何かを起こしてきた「コトおこし」の例を紹介していきます。

File17:栗崎由子(クリサキヨシコ)

GEWEL賛助会員
多文化共生研修講師、本当に使えるビジネス英語の活用コンサルタント
オンラインセミナー地球市民塾 主宰
愛国学園大学 非常勤講師

Q: あなたを掛け算で表現すると?
地球市民 x ネットワーク x 「生かす」

なんであれかんであれ、多様な人やものごとが共存する世の中こそ豊かな世の中だ、と私は思っています。
その気持ちは就活の時に、まず植え付けられました。
時は雇用機会均等法のできる前、大半の企業は女性を採用しないどころか、例え採用しても「女の仕事は結婚までの腰掛け」と多くの人が思って疑わなかった頃です。
私はうかつにも学校の外に出て初めて、この世の中が自分が女性という理由だけで生きる選択肢が極端に狭められていることを知りました。
それ以来、性別、出身地、年齢、国籍など、一切の違いに関わりなく、どの人も能力を充分に生かし、違いは価値として尊重される社会が私の理想となりました。
今でもその気持ちは変わりません。

 

Q: GEWEL との出会い
元GEWEL理事 荒金雅子さんからの御紹介で!

私のGEWEL入会は2014年でした。その頃はまだスイスに住んでいましたが、日本の働く女性のネットワークに参加したいと思っていました。一時帰国中にお目にかかった旧知の荒金雅子さんにGEWELを推薦され、一も二も無く参加を決めました。
それはまさに当たり!の選択でした。
入会を契機にGEWEL創設者のお一人である佐渡アンさんを始め、次々に多くの行動力ある女性たちと知り合っていきました。
私がGEWELに最初にお目見えしたのは会員の交流会でヨーロッパのダイバーシティについてお話しした時です。その時に集まった方たちとは今でもご縁が続いています。
2017年には、GEWEL主催のダイバーシティをテーマにした公開ワークショップで講師を務めました。

 

Q. 具体的な転機やその後に訪れた変化は?
欧州移住、外国で失業、日本への本帰国が三大転機です。

大きな転機は3回ありました。
まず、1989年、OECD(経済協力開発機構)に職を得てパリに渡ったこと。当時の日本人スタッフには珍しい、公募で得たポストでした。
OECDでは、世界を見る目がガガーーと大きく開かれました。目からウロコが100枚ぐらい落ちました。それは何かというと、パリという大陸側のヨーロッパに住み、欧州の地政学を体感したことです。
同時に、英国は欧州ではない、と気がつきました。大げさな言い方をしていますが、欧州大陸から見ると英国はどうも少し異質なのです。
そして、ヨーロッパからみたアメリカ合衆国が、日本から見たその姿と大きく違うことにも気づきました。その理由に納得したとはいえ、日本からの視点しか知らなかった私には、やはり目からウロコが落ちました。
次の転機は2008年1月、失業した時です。自分の立場を不安と思う心の余裕も無いぐらい、崖っぷちの日々でした。いくら探せども仕事の無い2年余りを経て、仕事に対する考え方を180度変えました。その時から自分の周りにいる大勢のすばらしい人たちに気がつくようになりました。
そして三つ目の転機は日本への本帰国です。2018年5月でした。約30年間のヨーロッパ生活でいつの間にか溜まった家財道具を、これ以上できないというほど思い切って始末し、老いた母の住む千葉県の小さなアパートに居を移しました。
今は多文化共生を自分のライフワークにしようと、日本で生き直しの真っ最中です。これからどんな未来が開けるか、楽しみです。

 

Q. 今どんなコトを起こしていますか?
地球市民塾

地球市民塾 というオンラインセミナーを毎月開催しています。地球市民塾は私がまだスイスに住んでいた2017年に開始しました。
その頃Zoomというシステムを使い、オンラインで手軽にミーティングをしたり講座を開いたりできることを知りました。その可能性は凄いと直感し、日本にいて、新しい視点や発想を探している人々に、日本の外から見る日本の姿や、外国と深く関わりながら生きる人々を御紹介しようと考えたのです。そうすることで、想像もできないほど多様な生き方、考え方があると一人でも多くの人に知って頂きたい、その結果が積もり積もって、多文化共生を受け入れる土壌を日本社会に作るお役に立てれば、という気持ちでした。
地球市民塾は、今も毎月続けています。この記事をお読みのあなたにスクリーンでお目にかかるのを楽しみにしています。

 

Q. これから起こしたいコトは?
多文化共生

これからも、機会あるごとに「多文化共生」と言い続けて行こうと思います。
私は今まで30年間、国際機関、多国籍企業で仕事をし、また国民の30%余りが「外国人」というスイスに長く暮らしてきました。その経験を通じて、人々の違いを、より良い社会を育てる資源として生かして使う知恵を出せる社会は豊かな社会だと実感しました。
私自身、外国人として30年近く他の国で生きて来ましたが、それはとりもなおさず、外国人を受け入れる度量のある国で生かされてきたということです。
その経験から、私はこれからの日本社会は、価値観やものの考えの違う人々と共に生きる社会になって欲しいと思います。そのためには人々の違いをより良い社会を育てる資源として生かして使う知恵が必要です。そこに向かうための合い言葉は、D&I、男女平等などいろいろありますが、「多文化共生」もまたその大切な一つだと思います。
私は今年(2019年)から、多文化共生をテーマにした対話会を仲間たちと毎月開催しています。時には、多文化共生をテーマにしたスピーチやワークショップをさせて頂くようになりました。このような機会を通じ、多文化共生を受け入れる心を持つ人々、人々の違いを新しい価値を生み出す資源だと考える人々に出会いたいと思っています。
そういう私にとってGEWELが素晴らしい機会を提供していることは間違いありません。

GEWELとわたし(栗崎由子)” への1件のフィードバック

  1. 臼井道子 のコメント:

    自国の外に出て得た視点、考え方について、もっとお聞きしたいと感じました。また地球市民塾に参加したいです!^_^

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